受刑者の面会拒否
受刑者への人権侵害を調べるため、弁護士が現場を目撃したとされる別の受刑者に会おうとして広島刑務所(広島市)に拒まれたことに対し、広島弁護士会が国に賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第三小法廷(藤田宙靖=ときやす=裁判長)は15日、弁護士会の請求を退ける判決を言い渡した。
第三小法廷は「刑務所は弁護士会に面会させる義務を負わない」と判断。60万円の支払いを国に命じた二審・広島高裁判決を破棄し、弁護士会の逆転敗訴が確定した。
判決によると広島弁護士会は97年と98年に、服役中の受刑者2人から「職員にボールペンで額を殴られた」などと人権救済の申し立てを受けた。弁護士会は目撃者とされた受刑者から話を聞こうとしたが、刑務所は「人権侵害はなかった」と認めなかった。
一審・広島地裁は03年3月に請求を棄却したが、広島高裁は05年10月、「面会を認めなかった刑務所の判断は裁量権の乱用だ」と判断。弁護士会は、親族以外と面会できるケースを広げる画期的判決だと評価していた。
これに対し、第三小法廷は、監獄法(現刑事収容施設法)の「受刑者が親族以外に面会できるのは特別に必要と判断された場合に限る」という条文について検討。「受刑者の利益と、刑務所の秩序の確保を調整するための条文で、親族以外の弁護士会など第三者の利益との調整は含んでいない」という初めての判断を示した。
5人の裁判官の一致した意見。ただし、弁護士出身の田原睦夫裁判官は「弁護士会の調査活動の意義を理解し、刑務所長には柔軟な対応を望む」との補足意見を述べた。
asahi.com
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